この数年間、寝るときは1人の部屋なので、かなり読書ができるようになってきました。その前は、父と母は1階で私達は2階という二世帯の生活でしたが、父が亡くなってからは、94歳の母の心身の健康状態があまりよくないので「母のそばの方がいい」と思い、寝るときの部屋は下に移したからです。

 母は、転んだりぶつかったりするだけでなく、昼夜が逆転したり幻覚や幻聴も結構あります。近くの部屋にいる私は寝不足になる時もあるのですが、楽しいこともあります。寝る寸前まで、読書ができるからです。私の独身時代の趣味はフトンに入ってから2時間ほどですが、眠る寸前までさまざまな本を読むことでした。家庭を持ってからはそんな我がままはできません。それがこのたび復活することができるようになりました。

 晩酌を控えめにして、つまらないTVのバラエティはあまりみないで、早めにフトンに入り込みます。おかげでこの3-4年間、小説を中心にかなりの本を読むことができました。

 そこで、これより本の紹介のための『私の読書コーナー』を開設することにしました。ここでは、今、市販されている本だけを取り上げています。

(143)『太平洋戦争の収支決算』 彩図社 著者・青山誠

財政と戦争の関連を忘れてはいけない・・・

 この秋から、私は「財政制度の軍事化」なども自分自身のテーマとして勉強し、レポートにしようとしています。いくつの資料や本も集めましたが、この本はコンパクトで苦しまずに学ぶことができました。
 この間、私が警戒しているのは、戦後の憲法体制の中で財政法や自治法の原則が次々に改悪されていることです。なかでも国債の発行で日本銀行がその国債を引き受けていることです。そして単年度の会計年度の区切りも崩されていることです。
 自治体では専決処分という当局が議会もかけないで一方的に判断し実行するやり方が増えています。コロナ災害が口実ですが、それが恒常化すると議会制民主主義の破壊につながっていまいます。
 国も自治体の財政からも、おかしな方向に向かっているようです。これは戦前の臨時軍事費特別会計の方向でもあります。
 この本は参考になります、自治体でもしっかり注視・警戒すべき事態です。

読了:2022年9月10日

(142)『世界国勢図絵』『日本国勢図絵』 矢島恒太記念会

日本の世界の位置がわかる

 これらのデータをパラパラとみました。やはり日本の政治経済は心配です。国債依存度は高く、国民負担率も高く、政府総債務残高も世界1位=つまり最悪で、OECDでは教育費の対JOP比は最も低く、食料自給率は下がるばかり。実質賃金はさがり、男女の格差も激しい、非正規労働者も増やされ・・・。」
 しかし、これからの日本では軍事費のみが世界の第3位になろうとしている、その日本とは、いったいどのような国に向かっているのか?? しかも、体制側にとって都合の悪いデータは隠し、改ざんです。さらに不安と危険性を感じました。

読了:2022年9月5日

(141)『日米地位協定入門』 創元社 著者・前泊博盛

日米地位協定・・・この協定の是正から

 私は、古い社会党からの基本的な見解を大事にしていますから、当然、「非武装・中立」です。日米安保条約を廃棄するために日米地位協定の是正から廃止は当然と思っています。地位協定のひどさは最悪状態です。甲府盆地の市街地の上空ではアメリカでは禁止されている空中給油をジェット機で行っています。危険なことは言うまでもありません。基地周辺の安全性を奪うだけでなく、日本全土に広がっています。自衛隊の訓練機もよく飛び始めています。日米ともに戦争訓練を頻繁に行っています。
 この本で改めて考えさせられたことは、軍事施設と地位協定で自治体の地方税も徴収できず、基地のおかげで街づくりもできないことです。「交付金があるから地域は潤う」どころではありません。沖縄の問題だけではなく、全体の日本の問題として考えたいと思います。
 でも、表紙にある「本当は憲法より大切な『日米地位協定入門』」との表題には、違う表題にならないかと、なんか違和感でした・・・。

読了:2022年8月30日

>> これまでの「私の読書」はこちら